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熱帯林減少の要因

熱帯林減少の要因は、大きく分けて5つ考えられる。環境政策Ⅰの授業においては世界の木材伐採量における薪炭と木材の比率が途上国と先進国では大きく異なること、熱帯林は貧困者にとってのバイオマスエネルギーであり、全体の7割は木材を中心とした固形燃料であることや、コモンズの悲劇が必ずしも起こらないことなどを学んだ。そもそも、環境問題は、非排除性、外部経済、財産権の認識不足によるコモンズの悲劇であるとされている。本レポートは、一般的に言われている熱帯林の減少の要因と、それに対する鳥飼行博氏の考察をまとめたものである。

《熱帯林減少の5つの要因のまとめ》

①薪炭生産

 途上国の木材生産量は過去22年間で32%増、その大半が薪炭生産である。けれども、それが途上国における木材生産の中心であり、熱帯林減少の主要因であるという説には、薪炭消費量のFAOによる推計の蓋然性、バイオマスエネルギーとしての薪炭消費、という観点から疑問が残る。

②用材生産

 途上国の木材生産量は31.0%に過ぎないが、大きな原因は、焼畑農業など農地の拡大にあるとされるが、途上国の用材生産が1980年代と比べて大きく増加していること、樹木・木材の浪費が多いこと、伐採跡地の森林再生が進まないことを考慮すれば、統計に表れる以上に熱帯林減少への寄与度が高いといえる。

③熱帯材貿易

 途上国が木材輸出によって債務を返済するために熱帯林が伐採される側面がある。また、木材を輸出しなくとも、外部経済を反映しない価格での伐採権の譲渡によって企業が用材生産による利益を優先するために、森林再生を二の次にしてしまう。

④焼畑と農地の拡大を進める移住者

 インドネシア、ブラジルにおける国内移住政策により、フロンティアの熱帯林に、耕地、プランテーション、牧草地などを求める移住者、焼畑の人口圧力がかかり、熱帯林が減少しているとされる。移住者の土地の財産権が不明確であることが多いために、違法性を認識しつつ、農地を拡大したりすることも頻繁に起こっていると考えられる。

 参考画像<世界の森林火災 http://www.physorg.com/news67694513.html>

 ⇒出所World fire maps:ATSR World Fire Atlas

⑤企業的フロンティア開発

 企業的フロンティアでは、公的投資や援助によって支援された企業は、事実上、フリーライダーとして森林を利用する。そうして伐採された熱帯林はローカル・コモンズや現地住民には配慮しない。熱帯林伐採には労働力以上に資金と資本が必要である。途上国がフロンティア開発の一環として積極的に一次産品の開発権を譲渡、売却していることは、用材生産と並んで熱帯林減少の主な原因になっていると考えられる。

 参考画像出所

<ブラジル・アマゾンの熱帯林減少U.S. Geological Survey:Brazilian Rain Forest Satellite Images>

参考ウェブサイト「熱帯林減少の衛星画像:インドシナ半島、ブラジル(鳥飼研究室)」

<http://www.geocities.jp/torikai007/map-deforest.html.>

参考論文「熱帯林減少とその適正管理 」(紀要論文)

<http://nels.nii.ac.jp/els/contents_disp.php?id=ART0007273547&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=Z00000006117485&ppv_type=0&lang_sw=&no=1181287225&cp=>


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