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トップ・マネジメントと戦略ーガバナンス(企業統治)と株式会社制度ー

コーポレート・ガバナンス問題は、米国のエンロン事件以来、我が国でも関心がもたれています。その意義とは、大きく分けて2つあります。

1.経営者の行動と株主の利益の一致

2.企業コンプライアンスの確保

1.について。株式会社というのは株主の利益を最優先すべき形態です。けれども経営者は必ずしも、そのように行動するとは限りません。本来、株主への配当にあてるべき余剰金を内部にため込んだり、不必要に役員報酬を与えることもあります。経営者のこうした行動を抑制するため、というのが企業統治のひとつ目の理由です。

2.について。株式会社の代表取締役は企業の指揮について絶大なる権限を持っており、旧来の日本の株式会社制度においては役員間での業務執行担当者の序列が明確に形成されていました。そのため、代表取締役が企業の不正に絡んでしまうと企業の暴走を止めることができず、社会的にも甚大な損害をもたらす可能性があります。これを防ぐというのが企業統治の二つ目の理由です。

次に、企業統治の方法について。企業統治については、大きく分けて2つの方法があります。

1.外部からの監視

2.内部からの監視

1.について。外部からの監視とは資本市場や証券取引所、監督官庁による監視のことを指します。

2.について。内部からの監視とは、企業内の株主総会、取締役会、委員会などによる監視のことを指します。今回は、こちらについてまとめます。

■株式相互所有の解消⇒株主総会

 かつての日本では企業同士による株式の相互所有は主流でした。株式の相互所有は株主総会を円滑に進めるために一定の役割を果たしたともいえます。しかし企業統治の観点から見れば、企業の監視制度の形骸化と解釈することができます。この問題点については、株式相互所有の崩壊という現在の姿があります。具体的には、時価会計の導入や銀行による株式所有に対する規制などにより、1900年代後半から、メインバンクが多くの株式を売却したこと、海外の機関投資家や国内の個人投資家による株式所有比率が上がったことにより相互所有が解消されました。これにより、監視機能が回復した。という形で今回はまとめさせてください。

■取締役会改革

 企業統治の観点から言えば、これまでの取締役会には3つの問題がありました。

・業務執行とその監視機能の分離がされていない

・業務執行担当者の序列が形成されている。

・社外取締役が極めて少ない。

この問題への対応として執行役員制の導入があります。これはソニーによって導入されたのを契機に大企業の半数まで広がった制度です。では、執行役員制の導入目的は以下の通り。

・取締役会の構成人数の削減で機能強化+活性化

・取締役会の構成人数の削減で意思決定の迅速化

・業務執行と意思決定、監視機能の分離

・ゼネラルマネジメントとミドルマネジメントの分離

執行役員は取締役会の下位機関に位置付けられることが多いようです。取締役が意思決定と監視に専念するのに対し、執行役員は業務執行に専念することができます。そのため、執行役員は特定部門の管理者が多いようです。そのため、部門ごとの利害対立が激しいはずです。

■委員会設置会社のしくみ

 2002年の商法改正以来、現在ではすべての会社が、従来の監査役設置会社と監査役を廃止した委員会設置会社を選択できるようになりました。委員会設置会社には複数の社外取締役の選任が義務付けられています。具体的には、取締役会の中に指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3つを設置しなければなりません。また、それぞれの委員会は3人以上で構成され、その過半数が社外取締役によって占められなければなりません。

 指名委員会は取締役の選任や解任についての決定権を持ちます。つまり、取締役会よりも指名委員会のほうが偉いのです。同様に報酬委員会は取締役や業務執行役員の報酬を決定することができます。監査委員会は取締役と執行役の職務についての監査、会計監査人の専任権を持っています。監査委員会は社内取締役がなることはできません。

 また、取締役の任期は1年です(通常2年)。

以上、企業統治(コーポレート・ガバナンス)に関するまとめでした。経営学の初歩的なレベルになっているのは講義レベル的な仕様です。経営組織論的な解釈のが好きです。


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